2012年9月24日月曜日

ドイツのパン


軽井沢に来てくれたドイツ人の友達が手作りのパンを持ってきてくれました。これ、大変重いパンで中身がびっしりで如何にもドイツパンです。バターをたっぷり塗って味わい深い美味しいパンです。ソーセージもデリカテッセンの厚みのあるものが良く合います。

ドイツの家庭に泊まっていると最初のうちはご馳走のつもりで、夜は結構いろいろなものがでるのですが、長く滞在していると日常に戻って、夕ご飯は簡単なアーベンブロートとといってこのようなパンとハム、ソーセージだけ、ビールを飲んでそれだけになることがあります。

この友達は軽井沢の家には何度も泊まっていて、仕事の疲れを癒すために来るので、ゆっくり寝かせてやります。彼女は親も友達でお客というより身内のような付き合いなので、うちの日常の食事で全く問題ありません。今回のハイライトはやはりサンマの塩焼きでした。

2012年9月16日日曜日

「無法松の一生」三船敏郎、高峯秀子

以前強い日差しが身体にぴりぴりきます。紫外線の強い軽井沢銀座です。誰が考えたか通りの街路樹を全部切って、店に人が入ってくるようにしたのでしょう。悪名高い商店街の誰かが儲かりさえすればよいと言うことだったのでしょう。特に店舗だけ借りて商売をしようという他所から来る商売人は軽井沢が儲かりそうだというだけでくるのですから、いらないものは総て取り払っていこうという話です。

そういう人はこのブログも読まないでしょうし、街路樹を植えようという気持ちも起こさないでしょう。そこへ本通りから少し路地を入ったところにある道具屋さんの三度屋さんが「軽井沢名画サロン三の日会」という催しを、軽井沢観光会館でやっています。この日は「無法松の一生」、主として黒澤、御船プロの作品を中心にした上映です。最近もBSで黒澤映画を全作品上映していますが、いまだに映画らしい映画で皆に感動を与えます。

三度屋さんは元はレキッとした映画制作のスタッフですから、こうした作品を制作したときの裏話を面白く話してくれます。三度屋さんの奥さんが入り口で切符を売っていて、丁寧に「お忙しい貴重名お時間を割いて来て下さってありがとうございます」と言葉を掛けてくれます。チケットは1000円です。来月は「七人の侍」、11月は「隠し砦の三悪人」が上映されます。

自分の経験を活かして軽井沢に文化を与えようとするこういう立派な軽井沢人がいるのにと思わざるを得ません。

2012年9月11日火曜日

秋祭り




渋谷の家を出て軽井沢に向かう前にお祭りの準備を眺めました。今年も肝心のお祭りの日には東京に戻りません。良く考えて見ると、例年、まだ暑いので秋祭りという気分になりません。9月15日前後はお月見もあってよさそうなのですが、こう暑いと面白くありません。

この日も朝から太陽ががんがんで幟もせいぜい頑張っているぜというところで写真にでも撮ってくれよといっているようです。

提灯も前の晩に見てみると節電のせいか、全部に明かりが灯っていません。これも面白くありません。

そして、「天地明察」の幟です。この金王八幡神社が舞台になるので見に行きたいのですが、宮崎あおいだからねえ。
彼女が出ると何かみな同じような映画に見えてしまう。可愛いタイプかも知れないが、昔の言葉でいえば、かまととではないか。

2012年9月9日日曜日

「幽霊」朗読劇


祖母の別荘だった玄関に捕虫網がそのまま立てかけてあります。毎年の夏、別荘の玄関に入ると懐かしいカビくさいにおいがします。この匂いがなければ千ヶ滝ではありません。少年の間、蝶々を追いかけ回していました。お隣の田村さんの幸ちゃんは大学生で色白のほっそりしたイケメンの青年で、彼が蝶々を捕る先生でした。

丁度、今日の坂本さんか、山本さんか、岩崎さんか、白いシャツ、白いズボンを吊って、幸ちゃんが「おーい、温彦ちゃん、いくぞ」と言う声がお隣の別荘から聞こえて来そうな感じがしました。北杜夫の文章は何度も読んでいるのでそれは聞いているのか聞いていないのか、耳に心地よく響くのですが、頭の中はあの少年の日々なのです。

舞台にいる4人が立っている人、椅子に腰掛けている人の具合でなんだかチェーホフの部屋ですね。急に朝子さんがアルカジーナになっていたりしてもそのまま芝居になっていても、演出をしていれば、如何様にもイメージがふくらむでしょう。

この朗読劇を見る前に素晴らしいドビュシーの展覧会を見ましたが、その感想は改めて、このブログにするか、雑誌に載せるか致しましょう。

2012年9月5日水曜日

オーラルヒストリーの現場

昨日は久しぶりに緊張に満ちた一日でした。オーラルヒストリーのインタビューです。早めのお昼を先生のお宅で食べてから3人で出発です。インタビューするわれわれ3人の役割分担は決まっています。

こうした世界的な人物を相手にする場合はオーラルヒストリーの基本に則って、自分の役割をきっちり果たさなければなりません。しかも相手の関心をそらさずに、こちらが聞きたいことを聞かなければなりません。

ガラスが前面にはめ込まれ、後ろに専門の関係書籍の2重になった書棚、夏ですが、お茶のお湯をわかすストーブが片隅にあります。それでも室内の温度は快適です。吹き抜けの天井は非常に高く、この部屋で孵化したという蝶々が舞っています。明かりはすべて間接照明で夕方になってこの明るさはウイーンのゲミュートリッヒ・カイトの状況にわれわれを包み込みます。これこそ得がたい時間です。

これはジャーナリズムのインタビューとは違います。聴衆が問題なのではありません。時代の証言を得ることが問題なのです。これは学問なのです。その為に自分の出番に猛烈な集中力が必要です。主導する先生ともう一人の先生との絶対のチームワークです。特に「間」の取り方の巧拙によって聞けるはずのテーマを落とす心配があるのです。一般的には少し自分が出るところをずらすことが求められます。

私がこの道に手を染めたのは慶応の先生だった幼馴染みが「デジタル・アーカイブ」の仕事を始めたときからですから実際はもう30年近くなるわけです。いつの間にかライフワークになっているようです。

仕事を通じて人のつながりを確認する猛烈に面白い仕事です。これに情熱を掛けないわけにはいきません。

2012年9月2日日曜日

葉山リゾートオフィス再興又は再考

雨の一日、現在、午後5時に家の古い別荘を手前に空を見上げたところ。薄暗くなりつつあり、今は雨は上がっていますがもう一雨来るかというところ。気温は20度をそろそろ下回るかどうかというところ。湿度がかなりあるので薄ら寒いという感じはありません。

今日はお昼前に葉山の住人で草津の別荘マンションに来ている友達が帰りに寄って相談です。彼は50才になったばかりですから、このようなダイナミックな生活をしていることは素晴らしいことです。葉山の町長が友人らしく、もともと葉山芸術祭の実行委員の中核である彼を相談相手にもしているようです。

葉山の一つのテーマは空き屋対策です。住宅地の中に空き屋が増えていると言うことです。こうした場所は海にも近くなく、かといって昔からの住人の住んでいる地区や別荘のあった地域と違って、葉山らしい良いところではなさそうです。そうなると、葉山町が町として良くなければなかなか借り手や買い手はつかないでしょう。

そこで、テレワーク利用したリゾートオフィスを彼が提案しているということです。テレワークタウンにするには町は行政として何をすべきか。

その前に面白い人が来て貰えるかどうか。サロンが出来るか。など行政ではどうにもならないこともあります。もちろん「人を誘致する」ことにお金を出した昔とは違い、今はだれも自分に能力がないと知っていても、能力があると称される人には嫉妬がまとわりつくので、町の誘致ではなく、「葉山に私を刺激してくれるような場と人がいるか」ということになります。