2012年9月9日日曜日
「幽霊」朗読劇
祖母の別荘だった玄関に捕虫網がそのまま立てかけてあります。毎年の夏、別荘の玄関に入ると懐かしいカビくさいにおいがします。この匂いがなければ千ヶ滝ではありません。少年の間、蝶々を追いかけ回していました。お隣の田村さんの幸ちゃんは大学生で色白のほっそりしたイケメンの青年で、彼が蝶々を捕る先生でした。
丁度、今日の坂本さんか、山本さんか、岩崎さんか、白いシャツ、白いズボンを吊って、幸ちゃんが「おーい、温彦ちゃん、いくぞ」と言う声がお隣の別荘から聞こえて来そうな感じがしました。北杜夫の文章は何度も読んでいるのでそれは聞いているのか聞いていないのか、耳に心地よく響くのですが、頭の中はあの少年の日々なのです。
舞台にいる4人が立っている人、椅子に腰掛けている人の具合でなんだかチェーホフの部屋ですね。急に朝子さんがアルカジーナになっていたりしてもそのまま芝居になっていても、演出をしていれば、如何様にもイメージがふくらむでしょう。
この朗読劇を見る前に素晴らしいドビュシーの展覧会を見ましたが、その感想は改めて、このブログにするか、雑誌に載せるか致しましょう。
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