2010年2月2日火曜日

熊谷守一の「雨滴」


テレビで放映された画家熊谷守一の「雨滴」です。この原画は愛知県美術館の木村定三コレクションに収蔵されています。この絵は熊谷守一の絵の中でも最も音を感じさせる絵です。しかも具象と抽象の真ん中に位置するような絵です。テレビでは超高速カメラで雨が水溜まりに降るところを捉えた映像が出て、それがこの絵の雨滴と全く同じでした。守一を撮っていたカメラマンが、肉眼では決して見られない1000分の1秒の瞬間の映像ですと言っていました。つまり守一の観察が如何にすごいかを表しているのです。われわれ普通の人が音として感覚で捉える雨を目で見て、絵にしているのです。たまたま私は膨大な木村定三コレクションの中からこの絵を選んでエッセーを書いて美術館に渡しましたが、この目に狂いはなかったようです。

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